【カナダ】トロント移住のメリットとデメリット・海外移住に立ちはだかる壁

カナダ全般

ここ数年海外移住を目指す日本人が増えていますよね。SNSでカナダ移住は簡単、おすすめなんて発信も目にすることもあり、10年間カナダのトロントで生活している日本人として、今後移住を目指す方の参考になればと思いメリットとデメリットについてまとめてみました。また何年も暮らすうちに見えてくる乗り越えなければならない壁についても書いてみたので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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カナダ移住のデメリット

物価が高い

カナダ移住のデメリット1つめは、物価がとても高いこと。北米の物価高はニュースなどで見たことがある方も多いと思いますが、実際に1回外食すると飲み物なしでも20ドル近くしたり、日用品のトイレットペーパー(12ロール)も7~10ドルとかなり割高です。 また家賃はバチェラー(1K)で1800ドル、1ベッドルーム(1LDK)で2350ドル、2ベッドルーム(2LDK)で3000ドル近くします。日本の食料が買えるお店もたくさんありますが、納豆3パックで4ドル、どらやき5つで7ドルなど、日本の2~3倍近くするのでとても割高です。

平均家賃参照サイト

海外に長く住んでいると、日本のコスパのいいランチやコンビニスイーツが恋しくなります。

冬が長い

カナダ移住のデメリット2つめは、とにかく冬が長いこと。カナダは国土が広いので住んでいる地域によって異なりますが、カナダの東部に位置するトロントはとにかく冬が長いです。早いときには10月末から雪が降り始め、4月に雪が降ることもあります。冬は日照時間も短く、冬季うつ病を発症したり、睡眠障害に悩まされる人も多いといいます。1日中暗い日があったり体感マイナス20℃の日があったり、精神的につらく感じてしまう人も多いと思います。

ビタミンDのサプリを取り入れたり、毎日散歩をするなどして冬季うつにならないように気を付けています。

治安が悪い

カナダ移住のデメリット3つめは、治安の悪さ。コロナ前はトロントも比較的治安が良かったですが、コロナ禍から年々治安が悪化しています。 地下鉄でホームに人を突き落としたり、手に持っていたケータイを盗まれたり、日本人を狙った詐欺などもあるので常に気をはっていなくてはいけません。 また最近は10代による犯罪も増えていたり、地下鉄で怖い思いをしたという話も頻繁に聞くようになりました。私自身は暗い時間は基本は出かけないようにしたり、夜はUberを使って地下鉄は使わないようにしています。

専門医に自己判断で行けない

カナダ移住のデメリット4つめは、専門医に行きたいときに行けないこと。カナダの病院システムは日本と異なり、まずはクリニックに行かなければならず、耳鼻科や皮膚科などの専門医に直接行くことができません。クリニックの医師の判断で、皮膚科などの専門医に行く場合もありますがすぐに予約が取れないこともよくあります。皮膚科に行くのに2か月待ちなんてこともあるので、日本で専門医に直接行けるのは本当に便利だなと思います。

不動産が高すぎる

カナダ移住のデメリット5つめは、不動産価格が高すぎること。トロントの不動産は暴騰し続け、今ではカナディアンすらも単身では不動産が買えないというのが実状です。一軒家は1億、コンドミニアムの1ベッドルームは5000万近くはします。頭金を捻出できるミレニアル世代は少なく、パートナーと共同購入するか親の助けなしでは物件購入が難しい状況です。

20~30年以上前に移民してすぐ不動産を購入ていた知り合いたちは、一つめの不動産を使って二つめ、三つめの不動産を購入して子供に与えている人たちもいます。すでに不動産が暴騰している今購入しても、将来購入価格以上の買い手がつかないという危険性もあります。

カナディアンの友達も社会人ですが、実家暮らしをして貯金している人が多いです。

カナダ移住のメリット

自由な生き方ができる

カナダ移住のメリット1つめは、自由な生き方ができること。様々な人種が暮らすトロントでは、日本ほどまわりの目を気にせずに暮らすことができます。日本ではまだまだLGBTへの風当たりが強いですが、トロントではLGBTだからといってあからさまに差別を受けたり奇異の目で見られることはありません。

服装や髪型もラフな人が多く、レギンスやスエットで気軽に出かけられるのでファッションも好きなように楽しむことができます。

ファッションや美容にかけるお金が減って、無駄な出費が減りました!

労働時間が短い

カナダ移住のメリット2つめは、労働時間の短さ。日本のように残業や会社の飲み会がないので、勤務時間のみ働くというのが普通です。コロナ禍から在宅勤務で働く人も増え、今は月に数回オフィスに行くハイブリッド型の働き方も増えています。飲食店勤務の場合は、ランチタイムとディナータイムの間に2時間くらい休憩がある場合が多く、しっかりと休憩が取れるようになっています。

まれに土日勤務や残業をしているカナディアンもいるので、カナダといえども職場選びは重要だなと思います。

最低時給が高い

カナダ移住のメリット3つめは、最低時給が高いこと。トロントがあるオンタリオ州の最低時給は15.50ドル。1ドル99円で換算すると日本円にして約1534円と、東京の最低時給よりも500円近く高いです。飲食店やヘアサロンなどで働いている場合はプラスでチップがもらえるので、時給換算で2000円超えになることがほとんどです。事務職よりもレストランの方が稼げるという理由で、レストラン勤務をあえて選ぶカナディアンも結構います。

また売り手市場ということもあり、最低時給で募集をかけても人が来ないので、18ドル~20ドルスタートで募集しているポジションも多くあります。(倉庫作業やハウスクリーニングの仕事など)

家の中が暖かい

カナダ移住のメリット4つめは、冬でも家の中が暖かいこと。カナダ=寒いというイメージがある方もたくさんいるかと思いますが、家の中はセントラルヒーティングのおかげで日本の家よりも室内が暖かく、寒い冬でも快適に過ごすことができます。冬でも基本Tシャツで過ごせるほどの暖かさです。暖房代が込みのアパートの場合、冬の方が電気代が安く抑えることができます。

カナダに10年住んでいますが、室内が寒い日本より室内が暖かいカナダのほうが快適です。

アメリカやカリブ海へ気軽に旅行できる

カナダ移住のメリット5つめは、旅行のしやすさ。トロントからニューヨークは飛行機で1時間半、キューバへは4時間とアメリカやカリブ海へのアクセスが良く、気軽に旅行することができます。特に冬が長いトロントでは、暖かいマイアミやキューバ、ドミニカなどに1週間旅行したりする人が多いです。日本からはアクセスしにくいカリブ海のリゾートに安く、気軽に旅行できるのは嬉しいポイントですよね!

海外移住に立ちはだかる壁

英語の壁

カナダで永住権を目指す場合、ある程度の英語力が必要になります。読み書きはできても、リスニングとスピーキングが苦手な人は多いかと思います。カレッジに行かない結婚移民の場合でも、ある程度のコミュニケーションが取れないと日常生活で不便に感じることがあるかもしれません。

実際に結婚移民した人の中には、家族のメンバーから英語の勉強を頑張った方がいいと言われたり、家族の集まりで会話に入っていけず寂しい思いをしたという話もよく聞きます。カナダ人は政治や投資の話が好きな人も多いので、アンテナを張って幅広いトピックでの会話についていけるようにしておく必要があります。カナダ移民する上で1番早い段階でクリアしておかないといけないのが、英語の壁だと思います。

役所や病院に一人で行ける英語力は必須!常に学び続けられるかどうかがカギですね。

8年の壁

ある程度現地のことも理解して、酸いも甘いも味わって現実を悟るのがこの時期なのかなと思います。最初の数年は全てが新しくキラキラして見えるものです。また新生活に慣れることや、仕事や学校のことに集中している時期でもあります。8年目くらいに入ると不動産のこと、老後のこと、年老いていく親のことなど現実を考える機会が増えてきます。また英語や文化の壁などを乗り越えられずにいる人は、8年くらいたって諦めて帰国という選択をする人も多くいるように思います。

実際、私の周りにも8年ほどで帰国してしまった人がいたり、他の地への移住を検討している知り合いもいます。

コミュニティの壁

海外移住するということは、家族や仲のいい友達と物理的に離れてしまうということ。もちろんLINEやSkypeを使って気軽に話したりすることはできますが、現地で新しい友達、コミュニティ作りを1から始めなければいけません。カレッジや職場で気が合う人に出会える場合もありますが、数年たって仲のいい友達がカナダを離れてしまうというケースもよくあります。

同じ国の人同士のコミュニティ内で生活している人も多く、本当に仲のいい友達をつくるのは難しいかもしれません。何でも話せて、価値観の合う友達が数人できるかどうかというのは海外生活を快適にすごす上でとても重要なポイントになってきます。

まとめ

「【カナダ】トロント移住のメリットとデメリット・海外移住に立ちはだかる壁」いかがでしたか?

10年カナダに住んでみて思うことは、日本にもカナダにもメリットとデメリットもあるということです。海外移住すれば、日本では感じたことのなかった不便さがあったり、逆に快適に感じることもあるでしょう。

カナダ移住を計画する場合には、現地の給料や物価、不動産価格など10年先まで見据えた上で具体的に計画することをおすすめします。またライフステージによって必要な英語も変わってくるので、英語は生涯勉強するくらいの心持ちも必要です。少しでもカナダ移住を考えている方の参考になると幸いです。

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