現在私の暮らすトロントでは外出制限がひかれ、出歩く際も人との距離を保つよう「Social Distancing(ソーシャル・ディスタンシング)」が呼びかけられています。3/17の非常事態宣言を境に、日常生活が奪われてしまいました。
自粛ムードが緩まってきている日本では、ニュースを見ただけでは想像できないような生活がカナダ含め海外で強いられています。留学やワーキングホリデーで海外への渡航を控えている人達に、少しでも現地の現状が伝わればと思いこの記事を書きました。
カナダ・オンタリオ州の現状
外出制限
カナダのオンタリオ州では3/17の非常事態宣言後、図書館や劇場、映画館なども閉鎖されました。ほとんどのオフィスワーカーが在宅勤務に切り替わり、金融街はゴーストタウンと化しています。レストランやカフェでは店内での飲食ができなくなり、テイクアウトかデリバリーのみが許可されている状態です。 3/21からは一部の店舗を除き、スターバックスも閉店してしまいました。
不急不要の外出以外、基本は外に出られません。スーパーマーケットやドラッグストアへの買い出し、散歩以外は外に出られない状態になって1週間近くが経ちます。心身の健康を保つために外を散歩することやジョギングすることは許されています。
Social Distancing(ソーシャル・ディスタンシング)
今、海外では「Social Distancing(ソーシャル・ディスタンシング)」が呼びかけられています。人との接触を避けることで感染者を増やさないようにするという戦略です。カナダでは他人との距離を2メートルくらい保つよう心掛けたり、ホームパーティーなども行わなったりしないように政府が呼びかけています。暇だからといって、家に友達や家族を呼ぶこともできないというわけです。
買い物でレジに並んでいる際も、警備員が前の人と距離をあけるよう呼びかけているスーパーマーケットなどもありました。散歩などで外を歩いているときも、みんな意識して前の人との間隔をあけるよう意識しているのが伺えます。
すでに1週間くらいこの状態が続いていますが、保健省の大臣によるとこの状態は数週間から数カ月続く可能性があるとのことです。
コロナの影響を受け失業・一時解雇
コロナウイルスの影響を受け、業績悪化や仕事自体がなくなってしまった業界でレイオフ(一時解雇)されている人がたくさんいます。レストラン勤務でシフトがなくなってしまったという声も多く聞きます。
日本ではあまり聞き慣れないレイオフ(一時解雇)ですが、これは解雇いわゆるクビとは異なります。レイオフはあくまで会社都合の一時解雇で、再雇用を前提としているものだからです。とはいえ、会社の業績が回復した際に100%再雇用されるわけでもありません。
日本でも人気のカナダのサーカス集団、シルクドソレイユや航空会社エアカナダでも一時解雇が避けられず、一時的に多くの人が職を失っています。現地の人でさえ職がない状況なのでワーキングホリデーなどで渡航したとしても、職探しが難航するでしょう。
今後考えられること
普通の生活が送れない
カナダ政府は条件次第で就労ビザや学生ビザ保持者に対して入国を許可する予定であると発表しており、条件に合う人は入国ができる可能性があります。入国できたとしても入国後2週間の自己隔離が義務付けられていて、その後も不急不要の外出を控えなければならず人に会う事もできません。
すでに生活の基盤があり友達や家族がいるカナダ在住者でも、この生活はとても辛く、精神衛生上よくありません。渡航後知り合いも頼れる人もいない中、この状況で暮らすことは想像以上に厳しいと思います。
仕事が見つからない
当然ですが、コロナウイルスの影響で経済状況は決してよくありません。レイオフされている人も多く、現状を考えると飲食店やサービス業では新規採用がなくなったり、少なくなったりすることが考えられます。
Uber eatsの配達員もワーキングホリデーの人に人気の職種ですが、現在はこの登録事務所もクローズしているので、仕事をしたくても登録すらできないのが現状です。(3/22現在)
治安の悪化
失業者が増えることで考えられるのは、治安の悪化です。カナダのパニックショッピングに便乗して真っ昼間からWalmartに強盗が入ったり、イギリスでもアパレルショップのガラスを割って侵入する人達がいたりと世界各地で治安の悪化が懸念されます。
また今回のコロナウイルスが中国・武漢で始まったことで、アジア人に対して偏見の目を向ける人が少なくありません。実際アメリカではアジア人の家族が襲われ、小さな子供がナイフで刺されるなどの事件も起きています。差別の少ないと言われているカナダでも、アジア人がコロナと叫ばれたり、電車から降りろと叫ばれたりと、アジア人差別が目に付くようになってきました。
まとめ
「【留学・ワーホリを控えている方に向けて】カナダの現状と今後考えられること」いかがでしたか?
日本の生活からは想像するのが難しいかもしれませんが、世界のあらゆる都市でロックダウンが始まり、不便な生活を強いられている人がたくさんいます。海外が危険だと怖がらせたいのではなく、日本のニュースでは実際に海外の人たちがどんな暮らしをしているのか理解するのは難しいのではないかと思い、現状についてまとめてみました。少しでも、これから渡航を控えている方たちの参考になれば幸いです。